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新規事業の立ち上げプロセスに悩む方へ:市場を変えろ 永井俊輔

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今回は、読書レポートをお届けします。

 

市場を変えろ 既存産業で奇跡を起こす経営戦略 永井俊輔さんです。

 

レガシー、そして斜陽業界に勤めていても、市場を変えることでベンチャーよりも有利な形成が取れる。

これをレガシーマーケットイノベーション(LMI)と筆者は呼んでいます。

筆者自体がサイン&ディスプレイ いわゆる看板屋の企業に父から受け継ぎ、

いろんな試みをすることで、市場を変えてきた経験を余すことなく披露している。

 

果たして、どのような主張なのでしょうか。そして、同じような手法を我々別の業界の縮小市場に適用できるのか。内容を見てみましょう。

 

【LMIの本質】

既存の商品やビジネスモデルの価値や意味を変えること。

そして、変化を先回りし、誰かが自分たちの市場をディストラプトする前に、

自分たちの手でイノベーションを起こすこと。

 

【LMIの例】

たばこ産業を例に、紙タバコから電子タバコを自ら生み出し、レガシーアセットや

ノウハウから自分たちの市場を成長市場へと変えていっている。

 

【典型的なディストラプト市場】

音楽市場がこれにあたる。カセットテープ→CD→ダウンロード→ストリーミングと

物の販売から、音楽そのもののコンテンツ販売に変わっている。

あらゆる中間費用が圧縮され、市場が縮小した。

既存市場が顧客に対して最適化された例で、悪いことではなく、次第にそうなる。

 

【イノベーションを阻害する要因】

危機感の欠如と諦めである。

変化がないことを楽観的に捉えるか、悲観的に捉えるかである。

 

【レガシー市場へのリスク】

自然淘汰されるリスクと外部からの参入により、ディストラプトされるリスクがある。

まず、4軸を考えると、左下の象限から、右下の象限へ移動するために、現在の業務を

高度効率化する。

それにより、イノベーションの原資を獲得し、新しいことを検証しながら、イノベーションを起こす右上の象限へ移行する。

レガシー企業はデジタル、IT面は遅れ気味のため、デジタル化させるだけで効果が出やすい。つまり、レガシー企業は大手とベンチャーのいいとこどりができる優位性を持っている。

 

【市場の見極め】

まず、自分たちの市場が将来、完全に消滅するのか、縮小しながらも残っていけるのかを見極める。

フィルム市場は完全になくなったし、出版業界は縮小しながらも残っている。

スマホのアプリ化されそうなものはディストラプトされやすい。

業界間の壁はかつてないほど、低くなっている。ライザップの成功は、間接的にコンビニ弁当や室外トレーニングのためのシューズ市場に影響を与えている。自分たちの壁の高さを把握し、その壁が低くなる時間にイノベーションを起こすことが肝要。

 

【テクノロジーの進化】

テクノロジーの進化により、顧客時間をいかに効率良く使ってもらうか、顧客の時間の奪い合いになっている。

 

【レガシー企業の強み】

業界内の経験、ノウハウ、情報、コネクション、人脈等があり、ニッチな市場で役立つレガシーアセットを持っている。

既存の市場で資金を生み、その資金でイノベーションを起こす、2段構えを取る。

 

【情報の取得方法】

課題から考えるイシュードリブンとランダムインプットがある。好きという感情を起点にして、得意なこと、儲かることを考える。これに世間が求めることが重なれば、生きがいになる。

既存のものの組み合わせがイノベーションを起こすとシュンペーターも言っている。

IoT、AI、VR等の技術を組み合わせるのも良い。

 

【クイックウィン】

新しいものを導入するには、クイックウィンという便利な体験を積み重ねて導入していくことが、心理的な障壁を下げる。

新しいビジネスモデルは、現在の10分の1のコストでできると大きく広がる。

 

いかがだったでしょうか。

成長市場の業界に勤めていない人には、とてもためになる内容ではないでしょうか。

縮小、斜陽産業にも希望を与えてくれる本の内容になっています。

是非、おすすめの本です。

 

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市場を変えろ 既存産業で奇跡を起こす経営戦略 [ 永井 俊輔 ]