最新読書レポートをお届けします。
未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来 ジャーナリストの大野さんによるインタビュー・編です。世界の有名な識者 7名にインタービューをしてまとめた本になっています。
私自身、今までの世界は法による統治が上手くいった時代だと思っていて、今は過去の
テクノロジーの進化スピード感と全く次元が違うので、テクノロジーに逆に法律が合わせていく時代になると思っています。そういう意味ではこれからのテクノロジーを理解していくことが生活や収入に直結していくのではないかと思う程です。
これからは過去の延長では生きられない時代に突入していくのです。
さて、そのような時代の過渡期に世界を代表する識者は何を考えているのか中身を見ていきましょう。
【我々は大きな分岐点の前に立っている ポール・クルーグマン】
ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマンです。
格差を解消するには、賃金を上げる、富の再分配をする。富はすでにあるので政治的な問題。資本主義は現状で最適な仕組み。資本主義の粗っぽさ、厳しさを規制と税、国家による給付金制度による社会主義を合わせたシステム。
日本は年1%生産年齢人口が減っているので、年1%の移民を受け入れる覚悟があるか。
なかなか難しい。
【雇用の完新世が終わり 人新世が始まる トーマス・フリードマン】
フラット化する世界を書いた、ジャーナリストです。
世界はフラットなだけでなく、ファストかつスマートになっていると言う。
雇用の完新世 では、中程度のスキルであれば、雇用が成立するが、人新世では
三つのR(読み、書き、算数)だけでなく、四つのC(創造性、共同作業、共同体、コーディング)のスキルが必須となる。そのため生涯学習者になる能力が必要。
これからはシステムはオープンして、先見性のあるリーダーシップが大事。
人間の潜在能力が発揮できる社会にすることが重要。
【職業の半分がなくなり、どうでもいい仕事が急増する デヴィッド・クレバー】
文化人類学者です。統計をとると、自分の仕事が社会に貢献していると思っていない人は37%、どちらかわからないと思っている人は13%で実に50%が意義を見いだせていない。ホワイトカラーにその傾向があり、ベーシックインカムを導入して、意味のある仕事を増やさなければならない。
【成長を追い求める経済学が世界を破壊する トーマス・セドラチェック】
経済学者です。
経済は成長せずとも機能する。成長を前提とした経済学、政治に警鐘を鳴らす。
競争は良いことなので、フェアであることが大事。
【テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく タイラー・コーエン】
経済学者です。
中間層が支えてきた産業の空洞化が生じたことで、中間層が孤独になり、コミュニティも減ってきている。米中貿易戦争は新しい冷戦。ただ、公平なルールを定めるための不可避なもの。
【ベーシックインカムと一日3時間労働が社会を救う ルトガー・ブレグマン】
歴史家です。
うつは個人の問題ではなく、社会的な構造問題であることがある。
高給の仕事は、富を移動させているだけの仕事もある。(銀行など)現在のプラットフォーマーもある意味そう。実利は何か、豊かな人生は何かを考える必要がある。
【データ資本主義が激変させる未来 ビクター・マイヤー=ショーンベルガー】
大学教授です。
貨幣、価格ベースの市場から、データによるマッチング市場に移っていく。
社会や政府が抑制しないかぎり、GAFAが勝者であり続ける。データ納税という概念を提唱。
いかがだったでしょうか。
7人の識者の内容なので、ちょっと盛りだくさんでした。
内容が盛りだくさんで、あまり書けなかった内容も多々あります。何度か読み返したい
本でもあります。世界最先端の識者の本が1000円以内で買えるなんて、かなりお得です。躊躇わず、買う本だと思います。是非おすすめです。
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